2011/07/02

Odd Nerdrum/オッド・ネルドル/北欧の憂鬱。




誰をモデルにし、どの絵を参考にしたか、上記の画集を見ると深く分析されている。バロック様式を如何に現代的表現にて描かれているか照査に分析されている。





                                                      google images


  このノルウェーの彼に興味を示すのは、その視覚に訴えかける悲劇性や技術的な事も興味を引くが、何よりもその北欧独特の暗さを絵から感じ取るからだ。その暗さは単なる悲劇ではなく、民族的悲劇なのかもしれない。

 彼の描画される空間は、昼なのか、夜なのか、判然としない。しかし、北欧の白夜や極夜などを思い浮かべるならば、その判然としない作品世界が生み出される下地が理解される。人間生活は太陽と共にあり、人間の精神状態も太陽と関係している事は現代で明らかになっている。日照率と鬱病の発生率を題材とした論文も多数ある。そのような地理的条件により生み出されるムードというものがある。彼の作品からは北欧の憂鬱とでも言うべき重いものを感じるのです。
 

 

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