2011/03/02

「シリアスマン」コーエン兄弟監督作品

先日、ジョエル&イーサン・コーエン監督作「シリアスマン」を観に行ってきた。2010年アカデミー賞作品賞ノミネート作品である。

2009年の作品であるから日本公開はかなり遅い公開だ。そして、コーエン兄弟の作品であるのにミニシアター系での取り扱いしか無い状況を疑問に思っていたが、実際映画を見ると納得である。キリスト教文化、ユダヤ人社会に対する予備知識が無いと全く理解できない映画だと思った。この映画で収益を出すのは難しい。当然、日本はキリスト教人口も多くないし、ユダヤ移民もいないで公開が遅れたのも納得である。

個人的にはとても楽しく拝見しました。元々、家族がキリスト信者でしたので聖書からの隠喩が理解できていたので中々、考えさせられました。この映画の主人公である中年男のラリーは恐らく旧約聖書に出てくるヨブ記に主に出てくるヨブと言う男と重ね合わせている様に思う。この旧約聖書のヨブ記はキリスト教界では中々、解釈に苦慮している逸話である。ヨブ記を読むと神様が鬼畜の所業を成し遂げてくれる話ばかりなので唖然としてしまうのだが、この映画のラリーとヨブは見事にシンクロしてくれます。「シリアスマン」を見る前に


旧約聖書のヨブ記を読まれるか、上の岩波文庫から出版されている本を読まれてから映画を観に行かれると深く理解できる様に思います。

ただ、この映画はキリスト教に理解を深めようであるとか、信者が観て喜ばれるものではない事をお伝えしておきます。どちらかと言えば、映画の構成はキリスト教を皮肉っている視点で作られています。それに、肩に力を入れてみるようなモノでもないと思います。この映画は基本的にはコメディーとして作られています。ブラックジョークやナンセンスな笑いが好きな人はかなり笑える映画になっています。

僕は、かなり爆笑していました。でも、笑い声を出す前に周りの様子を見てみましょう。僕の時は皆、シリアスマンだったのか、誰も笑っていませんでした。ご注意あれ!



投稿者サイト asaji photo office

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